「もぉ、疲れたぁ」  背中の荷物を地べたに下ろし、ステラはぺたんと座り込んだ。  木漏れ日の中の山道である。 「何言ってんの? さっき休んだとこじゃん」 「まあまあ、いいじゃないか、アスカ。ステラちゃんは、僕たちみたいに日頃から身体を鍛えているわけじゃな ...

「使命ってなによ?」  茶色い髪のアスカは、ズンズン進むステラの腕にすがりつきながら聞いた。  すると、黒い髪の変異師見習いは足を止め、頬を赤らめて遠い目をする。 「リカード先生に頼まれた、お・つ・か・い」  それを聞いたアスカは、顔をひきつらせてそぉー ...

「リカード先生!」  長い黒髪を後ろで軽く結った少女が、大きな黒い瞳をくるりと回して、声をかける。  少女の右の目の下には、小さな紋章が入っている。その紋章は、彼女が変異師であることを示している。  変異師とは、世界の理を一時的に歪めることにより力を行使 ...

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