「お前……」 「お前はっ!」 「き、昨日の変異師!」 「? 盗賊団の中に、彼がいたんですか?」  三人の呟きに、リカードが聞いた。 「ああ。……あいつら、あの変異師を雇っていたんだ。それで一日遅れたってわけさ」 「あいつって、予定外だったの?」 「そうい ...

「……あのさ、アスカ。あの時どうやって助かったの?」  ビシュミール山の麓の林を歩きながら、ステラは思い出したように訊いた。  前を行くアスカが、キョトンとした顔で振り向く。 「天井が落ちてきた時」 「ん? ……ああ、あれね。天井が熱くなってヤバくなった ...

 ステラの声にアスカが動きを止めた瞬間、彼女は焼け溶けて崩れ落ちてきた天井の中に姿を消した。  激しい熱風と焦げた臭いがステラに襲いかかり、彼女は目を開けていられない。 「あ、アスカ?」  目を開けた彼女の目に映ったのは、赤熱していた瓦礫が冷えて固まった ...

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